特集 慢性リンパ性白血病(CLL)と類縁疾患
1.慢性リンパ性白血病(CLL)の分子病態
菊繁吉謙
1
Yoshikane Kikushige
1
1九州大学大学院 応用病態修復学 助教
pp.153-159
発行日 2018年1月30日
Published Date 2018/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201802153
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慢性リンパ性白血病(CLL)は,高齢者に好発する欧米で最多の白血病であり,全世界で基礎および臨床研究が積極的に行われている代表的造血器腫瘍である。日本においても,欧米に比較して症例数は少ないものの近年の高齢化社会を迎え,その疾患としての重要性は増加している。近年の研究の進捗により,CLLの発症機構,遺伝子変異,CLL特異的治療標的分子等が明らかになってきており,その臨床予後を含めて現在,大きく変化をしてきている疾患と言える。本稿では,CLLの分子病態,特にその発症機構とCLL細胞におけるB-cell receptor(BCR)シグナルを中心に近年の研究の進捗を紹介したい。