Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1993
I 最近話題の疾患
後天性皮膚弛緩症
Acquired cutis laxa
落合 豊子
1
,
本庄 三知夫
1
,
森嶋 隆文
1
Toyoko OCHIAI
1
,
Michio HONJO
1
,
Takafumi MORISHIMA
1
1日本大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Nihon University, School of Medicine
キーワード:
acquired cutis laxa
,
elastase activity
,
anetodermie urticarienne
Keyword:
acquired cutis laxa
,
elastase activity
,
anetodermie urticarienne
pp.29-33
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900877
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
後天性皮膚弛緩症acquired cutis laxaは,皮膚が弛緩して,皺襞をつくり,老人様顔貌を呈する稀な疾患である.本症の皮膚には伸展性があるが,弾力性がなく,引っ張って指を離しても容易に元に戻らない.顔面に初発するが,時に全身に及ぶ.およそ半数の症例で,蕁麻疹様紅斑などの前駆病変を有し,薬剤過敏症の後に引き続いて起こることもある.組織学的には,弛緩して萎縮した皮膚における真皮弾力線維の断裂,減少,消失を特徴とする.病因は不明であるが,患者皮膚組織中のエラスターゼ活性が,コントロールに比し高値を示すこと,蕁麻疹様紅斑部の組織で,真皮の弾力線維に沿って多数の好中球が浸潤し,電顕的に,断裂した弾力線維に付着した好中球が観察されることより,本症の病因に好中球エラスターゼの関与が推測される.治療は,蕁麻疹様紅斑にDDSの内服が奏効するが,皮膚の弛緩には有効な治療法がなく,除皺術を行っても再発することが多い.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.