特集 多発性骨髄腫の臨床 ~現状と展望~
3.微小残存病変(MRD)測定の臨床的意義 1)アリル特異的PCR(ASO-PCR)と次世代シークエンサー(NGS)を用いたMRD測定
髙松博幸
1
Hiroyuki Takamatsu
1
1金沢大学医薬保健研究域医学系 血液・呼吸器内科 助教
pp.49-55
発行日 2016年12月30日
Published Date 2016/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201701049
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新規薬剤によって多発性骨髄腫の完全寛解(CR)達成率が著明に上昇してきている。そのため,CR症例をさらに層別化できる可能性のあるMRD検査の重要性が増している。遺伝子検査をベースにしたMRD検査法にはアリル特異的PCR(ASO-PCR)と次世代シークエンサー(NGS)があるが,検査可能症例数,感度の点からはNGSが優れているため,今後のMRD測定ではNGSが主流になるように思われる。なお,骨髄中の骨髄腫病変は不均一に分布するため,一回の骨髄穿刺では偽陰性になるという問題がある。このため,骨髄検体を使用するMRD測定には限界があることを認識し,画像診断も併せて施行していく必要がある。