特集 多発性骨髄腫の臨床 ~現状と展望~
2.新しい多発性骨髄腫の治療指針に基づく骨髄腫治療戦略 2)移植非適応骨髄腫の治療指針
関本悦子
1
,
尾崎修治
2
Etsuko Sekimoto
1
,
Shuji Ozaki
2
1徳島県立中央病院 血液内科 副部長
2徳島県立中央病院 血液内科 部長
pp.41-47
発行日 2016年12月30日
Published Date 2016/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201701041
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移植非適応患者に対する寛解導入療法としては,melphalan+prednisolone+bortezomib(MPB)療法もしくはlenalidomide+dexamethasone(Ld)継続療法が主に検討されており,melphalan+prednisolone(MP)療法やmelphalan+prednisolone+thalidomide(MPT)療法との比較において,無増悪生存期間のみならず全生存期間における延長効果が示されている。MP療法など従来の化学療法は,病勢がプラトーに到達すると一旦治療を中止していたが,新規薬剤については至適治療期間を検討した臨床試験はなく,MPB療法では9サイクル,Ld療法では18サイクルまで継続することが推奨される。また,寛解導入療法後の維持療法については全生存期間における有用性は確立しておらず,患者毎にリスクとベネフィットを考慮して決定すべきである。