特集 小児造血器腫瘍の特色 ~分子的理解から治療開発まで~
3.小児リンパ腫の分子的理解と臨床応用
大木健太郎
1
Kentaro Ohki
1
1国立成育医療研究センター 小児血液・腫瘍研究部 分子病理研究室 室長
pp.1523-1531
発行日 2016年10月30日
Published Date 2016/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201611039
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小児リンパ腫は,臨床試験による治療の進歩により治療成績は改善してきているが,初期治療反応不良例や再発例は依然として予後不良である1)。リンパ腫の病因として,ゲノム異常,ウイルス感染,慢性炎症と免疫不全の4つが重要である。近年,アレイ解析や次世代シーケンサー等の技術の進歩により新たなゲノム異常が次々と同定されており,今後,小児リンパ腫の分子病態の解明に伴い,それらを標的とした新たな分子標的治療薬の開発につながり,さらなる治療成績の向上が期待される。