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増刊号 血液形態アトラス
Ⅰ部 造血器悪性腫瘍
5章 成熟B細胞腫瘍
3 Burkittリンパ腫
Burkitt lymphoma
田邉 久美子
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.970-972
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206178
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Burkittリンパ腫(Burkitt lymphoma:BL)は腫瘤形成性の高悪性度(highly aggressive)B細胞リンパ腫であり,以下の3病型に大別される.①アフリカ,パプアニューギニア地域に発症する風土病型/地域病型(endemic BL),②欧米・日本などの地域での散発型(sporadic BL),③HIV(human immunodeficiency virus)感染者に多い免疫不全関連BL(immunodeficiency associated BL)1,2).成人では悪性リンパ腫全体の1〜2%程度,小児では全小児悪性腫瘍の過半数(endemic地域),25〜40%(non-endemic地域)を占め,男女比は2〜3:1で男性に多い.回盲部腫瘤などの腹部腫瘤で発症することが多く,腹腔内リンパ節,卵巣,腎,乳房,骨髄,中枢神経などへの浸潤も少なくない3).リンパ節腫脹や白血球異常高値で発見されることもある.臨床的には極めて進行が速く,腫瘍量増大による腫瘍崩壊症候群を来しやすいが,適切な治療を行うことで高率に治癒が期待できるため,他の病型との鑑別診断が重要となる.
特徴的な検査所見としては,LD(lactate dehydrogenase),尿酸,sIL-2R(soluble interleukin-2 receptor)高値,染色体転座t(8;14)(q24;q32)などが挙げられる.BLの症例データを→表1に示した.LDの著明な高値が特徴的である.
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