増刊号 誰でもわかる遺伝子検査
Ⅱ.各論—遺伝子検査はどういうときに必要なのか
3.応用編—遺伝子検査を利用する
2)悪性腫瘍
(3)悪性リンパ腫
山田 恭暉
1
,
菅原 和行
2
1長崎大学大学院医歯薬総合研究科臨床検査医学
2長崎大学医学部付属病院検査部
pp.1074-1078
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906363
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はじめに
悪性リンパ腫診断の基本は病理組織学的な形態診断であるが,免疫学や分子生物学の進歩ととも新しい情報が加えられ,組織分類は変遷を重ねている.複数の分類が存在し,全く同一の疾患であってもどの分類を用いるかによって診断名が異なる場合があり,さらに新しい疾患単位が追加されたこともあって,血液内科を専門とする者にとっても難解である.しかし病理診断名は患者の予後と密接に関係し,また治療法選択の指標となっているため,正確な診断が強く求められる.既に細胞形質(表面マーカー)検査は必要不可欠となっているが,近年遺伝子検査もしだいにその重要性を増してきている.本稿では新WHO分類1)の診断名に基づき,悪性リンパ腫診断における遺伝子検査の意義を解説する.
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