特集 同種造血幹細胞移植の多様性:細胞ソースと血縁・非血縁
2.血縁者間HLAハプロ一致移植 1)低用量ATG+steroidを用いた血縁者間HLAハプロ一致移植
岡田昌也
1
,
小川啓恭
2
Masaya Okada
1
,
Hiroyasu Ogawa
2
1兵庫医科大学 血液内科 講師
2兵庫医科大学 血液内科 教授
pp.683-687
発行日 2016年4月30日
Published Date 2016/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201605067
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第4の造血幹細胞ソースであるHLAハプロ一致ドナーからの移植を我々は強いGVL効果を引き出すことを目的に,治療抵抗性造血器腫瘍患者を対象として行っている。GVLとGVHD分離のため,我々は低用量ATG+steroidを用いたGVHD予防法を用いている。その機序として,① ATGはドナーT細胞の抑制と,ホストTregを活性化することによりホストDCの抑制を誘導している,② mPSLは移植後の低炎症性サイトカイン,低ケモカイン状態を作り出すことにより,ドナーT細胞のGVHD対象臓器への遊走を阻害していると考えている。