特集 同種造血幹細胞移植の多様性:細胞ソースと血縁・非血縁
2.血縁者間HLAハプロ一致移植 3)非血縁者間骨髄移植におけるHLA適合性によるドナー選択
一戸辰夫
1
,
大島久美
2
Tatsuo Ichinohe
1
,
Kumi Oshima
2
1広島大学原爆放射線医科学研究所 血液・腫瘍内科研究分野/広島大学病院 血液内科 教授/診療科長
2原爆放射線医科学研究所 血液・腫瘍内科研究分野/広島大学病院 血液内科 講師
pp.697-704
発行日 2016年4月30日
Published Date 2016/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201605081
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非血縁者間骨髄移植の実施にあたっては,患者とドナーの間におけるHLAクラスⅠ遺伝子およびクラスⅡ遺伝子の適合性の検討が重要であり,通常のドナー選択で考慮されるHLA-A,-B,-C,-DRB1の4座に加え,最近では,DRB3/4/5やDQB1,DPB1など比較的発現量の少ないクラスⅡ遺伝子の不適合に関してもその臨床的意義を示唆する知見が得られている。すでに高速シーケンサーを用いたHLA遺伝子群の網羅的タイピング法が実用可能となっており,今後はわが国で行われている検体保存事業等を通じて,非翻訳領域を含めた「ゲノムレベル」でのHLA遺伝子領域の適合性の意義が解明されることが期待される。