特集 同種造血幹細胞移植の多様性:細胞ソースと血縁・非血縁
2.血縁者間HLAハプロ一致移植 2)移植後大量シクロホスファミドを用いた血縁者間HLAハプロ一致移植
中前博久
1
Hirohisa Nakamae
1
1大阪市立大学大学院医学研究科 血液腫瘍制御学 准教授
pp.689-695
発行日 2016年4月30日
Published Date 2016/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201605073
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2008年の移植後大量シクロホスファミド(PT/Cy)を用いた血縁者間HLA半合致移植の報告以降,PT/Cy HLAハプロ一致移植は急速に世界的に広がりを見せている。また,最近の報告では,非血縁間移植との比較において,PT/Cy HLAハプロ一致移植は生存率を低下させることなく,慢性GVHDの発症率を有意に低下させることが示された。この利点から,PT/Cy HLAハプロ一致移植を良性の血液疾患に適応拡大する試みも行われており,将来,移植ソースの選択における,パラダイムシフトが起こる可能性を予感させる。