特集 同種造血幹細胞移植の多様性:細胞ソースと血縁・非血縁
2.血縁者間HLAハプロ一致移植 5)非血縁者間末梢血幹細胞移植の国際的動向と本邦における初期成績
後藤辰徳
1
,
宮村耕一
2
Tatsunori Goto
1
,
Koichi Miyamura
2
1名古屋大学医学部附属病院 血液内科
2名古屋第一赤十字病院 血液内科 部長
pp.711-719
発行日 2016年4月30日
Published Date 2016/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201605095
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非血縁者間同種末梢血幹細胞採取・移植は世界的に広く普及しており,わが国においても血縁者間末梢血幹細胞ドナーの短期・中長期の安全性が確認された後,2010年10月に導入された。2011年3月に第1例目の移植が行われ,2016年1月までに計143件の移植が実施された。初期成績の解析では,コーディネート期間の短縮ならびに骨髄移植と同等の移植成績と安全性が確認された。今後,非血縁者間末梢血幹細胞移植のさらなる増加が期待され,わが国におけるデータの蓄積とそれに基づく前処置やGVHD予防の最適化が今後の重要な課題である。