特集 同種造血幹細胞移植の多様性:細胞ソースと血縁・非血縁
1.本邦における細胞ソース別,ドナー別にみた移植成績の比較 5)先天代謝異常症
加藤俊一
1
Shunichi Kato
1
1東海大学医学部 再生医療科学 客員教授
pp.673-681
発行日 2016年4月30日
Published Date 2016/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201605057
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わが国において1985~2010年までに初回同種造血細胞移植が行われた216例の先天代謝異常症についての成績を報告する。疾患別ではムコ多糖症93例,副腎白質ジストロフィー84例,異染性ロイコジストロフィー10例,その他29例であった。全体での10年全生存率は74.5%,ドナー生着10年生存率は58.2%であった。疾患別に生存率の差はなく,移植種類別にみると血縁者間骨髄移植>非血縁者間骨髄移植≧非血縁者間臍帯血移植の順で生存率が高かった。2000年以降の期間では,非血縁者間臍帯血移植と骨髄非破壊的前処置による移植の成績が向上していた。