特集 急性骨髄性白血病のゲノム解析 ~現状と展望~
5.急性骨髄性白血病における胚細胞性および体細胞性新規DDX41変異
牧島秀樹
1
1京都大学大学院 医学研究科 腫瘍生物学講座 講師
pp.1617-1623
発行日 2015年10月30日
Published Date 2015/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201511061
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これまで,高齢発症MDS/AMLにおいて病因として主に検索されてきたのは,体細胞変異であった。この度,家族性の高齢発症MDS/AMLを全エクソームシークエンスにて検討し,RNAヘリカーゼをコードするDDX41に胚細胞変異を発見した。興味深いことに,野性型の対立アレルに,高頻度に体細胞由来の遺伝子変異を認め,遺伝学的に2ヒット理論に基づく腫瘍化が推定された。さらに,同一の胚細胞変異は,家族歴の明確でない症例でも数%に,健常者の公開データベースにおいても0.02%に認められた。以上の結果が,今後,臨床的なスクリーニングに利用されることが期待される。