特集 急性骨髄性白血病のゲノム解析 ~現状と展望~
6.骨髄異形成症候群/骨髄増殖性疾患の白血病進展とセカンドヒット
井上大地
1
Daichi Inoue
1
1東京大学医科学研究所 細胞療法分野
pp.1625-1632
発行日 2015年10月30日
Published Date 2015/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201511069
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MDSの30%,MPNの10%弱はAML様の病態に形質転換し,進展後の予後は極めて不良である。近年の大規模シークエンスの技術革新により,AML進展のセカンドヒット候補となる遺伝子変異がより明確に捉えられるようになった。MDSでは,tyrosine kinase/RAS pathwayやミエロイド系転写因子の変異の他に,SETBP1変異など新規に同定された変異がAML進展に寄与する。一方で,MPNではTP53変異を除いて,セカンドヒットとして説明するのは困難である。本稿ではセカンドヒット探索の現在地と今後明らかにすべき課題について概説する。