特集 急性骨髄性白血病のゲノム解析 ~現状と展望~
4.Germline変異と急性骨髄性白血病
原田結花
1
,
原田浩徳
2
Yuka Harada
1
,
Hironori Harada
2
1文京学院大学 保健医療技術学部 臨床検査学科 教授
2順天堂大学医学部 内科学教室 血液学講座 准教授
pp.1607-1615
発行日 2015年10月30日
Published Date 2015/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201511051
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急性骨髄性白血病(AML)や骨髄異形成症候群(MDS)多発家系の遺伝子解析から,germline変異によるMDS/AMLが同定されている。常染色体優生遺伝形式の家族性MDS/AMLの原因として,RUNX1,CEBPA,GATA2,およびDDX41などの遺伝子変異が知られている。これらのgermline変異だけではMDS/AML発症には至らないが,網羅的な遺伝子解析や未発症患者から樹立したiPS細胞の解析によって分子発症機序の解明が進み,体細胞変異例も含めたMDS/AML分子病態の解明に貢献している。しかし,MDS/AML多発家系の多くは変異が未同定であり,症例の集積と解析が必要である。