特集 急性骨髄性白血病のゲノム解析 ~現状と展望~
2.急性骨髄性白血病におけるゲノム異常
片岡圭亮
1
Keisuke Kataoka
1
1京都大学大学院 医学研究科 腫瘍生物学 特定助教
pp.1589-1593
発行日 2015年10月30日
Published Date 2015/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201511033
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近年,次世代シーケンスの発達により,AMLの体細胞異常の全貌が明らかにされつつある。AMLでは平均5個のドライバー遺伝子異常があり,従来知られていたAML-ETOやPML-RARαなどのキメラ蛋白や,FLT3,NPM1などの体細胞変異に加えて,IDH1/IDH2やDNMT3Aなど新たな遺伝子異常が認められる。これらの遺伝子異常は9つのグループに分類され,一部の遺伝子変異は染色体転座による従来の患者の予後予測能を改善し得る。今後,これらの知見の臨床応用が期待される。