特集 遺伝的素因による血栓症
1.先天性アンチトロンビン欠乏症と先天性アンチトロンビン抵抗性
高木夕希
1
,
小嶋哲人
2
Yuki Takagi
1
,
Tetsuhito Kojima
2
1名古屋大学大学院 医学系研究科 病態解析学講座
2名古屋大学大学院 医学系研究科 病態解析学講座 教授
pp.23-28
発行日 2014年12月30日
Published Date 2014/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201501023
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先天性アンチトロンビン欠乏症は常染色体優性遺伝形式をとる血栓性素因の1つで,肺血栓塞栓症などの静脈系の血栓症を引き起こすが,従来の先天性血栓性素因の中でも血栓発症リスクが高いと言われており,臨床で重要な疾患である。一方で,新規血栓性素因であるアンチトロンビン抵抗性は,凝固因子であるプロトロンビン分子の異常が静脈血栓症の原因となる。アンチトロンビン抵抗性はその発見以来,世界中で同定されはじめており,今後も原因不明の静脈血栓症患者での発症要因として同定されることが予測される。