特集 遺伝的素因による血栓症
2.先天性プロテインC欠乏症と先天性プロテインS欠乏症
津田博子
1
Hiroko Tsuda
1
1中村学園大学大学院 栄養科学研究科 教授
pp.29-35
発行日 2014年12月30日
Published Date 2014/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201501029
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ビタミンK依存性蛋白質のプロテインC(PC)とプロテインS(PS)はPC血液凝固制御機構の主要因子であり,先天性欠乏症では静脈血栓塞栓症のリスクが高まる。日本人や中国人には欧米白人の先天性血栓性素因のFactor V Leidenやprothrombin G20210A変異は存在しないが,先天性PC,PS欠乏症がアジア人特有の先天性血栓性素因である可能性が高い。したがって,静脈血栓塞栓症の予防・治療には,PC,PSの構造・機能および先天性PC,PS欠乏症の病態・診断・疫学の理解が重要である。