特集 遺伝的素因による血栓症
序 ~血栓症の遺伝子研究で見えてきたこと~
宮田敏行
1
Toshiyuki Miyata
1
1国立循環器病研究センター 分子病態部 部長
pp.17-22
発行日 2014年12月30日
Published Date 2014/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201501017
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
血栓症は多因子疾患である。静脈血栓症は家族内発症や若年者発症など,遺伝因子の影響を受ける場合があり,古くより凝固制御因子欠損症が遺伝的要因であると報告されている。一方,動脈血栓症は動脈硬化との関連が深く,その遺伝的背景はより複雑である。最近のハイスループットのゲノム解析法は,家系内の血栓発症の遺伝的背景の解明に極めて有効である。ヒトゲノムは極めて多くの変異を保有しているので,真の疾患変異を同定する重要性が増している。