特集 改訂造血器腫瘍WHO分類2016 ~概要と意義~
序 ~遺伝子変異が診断に果たす役割を考える~
南谷泰仁
1
Yasuhito Nannya
1
1京都大学医学部 腫瘍生物学講座 特定准教授
pp.353-356
発行日 2017年2月28日
Published Date 2017/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201703017
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2016年5月に造血器腫瘍WHO分類第4版の改訂版が発表された。第4版発表後の9年間に得られた知見の多くは遺伝子変異プロファイルであり,多くの疾患の診断基準に遺伝子変異情報が取り入れられている。しかし,これらの情報が果たす役割は疾患によってさまざまであり,疾患単位を規定することもあれば診断における補助的な役割しか果たさないこともある。造血器腫瘍の診断において,遺伝子変異に過度に依存せず,疾患に応じて適切に利用することが重要である。