特集 骨髄異形成症候群(MDS)の病態解明と治療の現状
5.高リスク骨髄異形成症候群に対する治療の実際
臼杵憲祐
1
Kensuke Usuki
1
1NTT東日本関東病院 血液内科 部長
pp.1481-1490
発行日 2014年9月30日
Published Date 2014/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201410055
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高リスクMDSにおけるアザシチジン(azacitidine:AZA)の国際共同第 III 相試験で,通常治療に比べてAZAによる生存期間の改善が明らかにされた。その二次解析では,75歳以上の高齢者,WHO分類ではAMLに分類されるFAB分類のRAEB-T例,低形成MDSでも生存期間の改善がみられることが明らかにされている。効果の発現までに4~6サイクルを要するため,AZA治療の効果予測のための予後スコアが作成されている。AZA治療抵抗性例の生存期間の中央値は5.6カ月,2年生存率15%と不良である。AZAとさまざまな薬剤との併用療法の臨床試験が進行中である。