特集 骨髄異形成症候群(MDS)の病態解明と治療の現状
6.骨髄異形成症候群に対する造血幹細胞移植治療の現状
石川隆之
1
Takayuki Ishikawa
1
1神戸市立医療センター中央市民病院 血液内科 部長
pp.1491-1497
発行日 2014年9月30日
Published Date 2014/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201410065
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同種造血幹細胞移植は骨髄異形成症候群(MDS)に対して治癒が期待できる唯一の治療法であるが,時に致死的となる重篤な有害事象の危険を伴う。そのため,国際予後スコアリングシステムにより高リスク群とされた場合のみ同種移植が強くすすめられる。最近の臍帯血を含む非血縁ドナープールの充実と,HLA半合致移植の導入により,年々より多くのMDS患者に同種移植が行われるようになった。一方,高リスク群MDSに対する治療成績は,特に60歳以上の患者において改善の余地が大きい。今後の移植成績の改善に向けて,移植前治療ならびに移植前処置の検討と改善が望まれる。