特集 血液疾患とクローン性
3.造血器腫瘍のクローン性進展 3)骨髄異形成症候群の病型悪化とクローン性進展
原田結花
1
,
原田浩徳
2
Yuka Harada
1
,
Hironori Harada
2
1順天堂大学医学部 内科学教室 血液学講座 助教
2順天堂大学医学部 内科学教室 血液学講座 准教授
pp.895-902
発行日 2014年5月30日
Published Date 2014/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201406099
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骨髄異形成症候群(MDS)は造血幹細胞のクローン性異常に起因しており,網羅的遺伝子異常解析により新たな遺伝子異常が次々と発見され,詳細な変異機構が明らかになってきた。多数のMDS発症関連遺伝子のうち,RNAスプライシングやDNAメチル化に関わる遺伝子変異が先行して起こることで基幹クローンとなり,その他の遺伝子変異が生じて派生クローンを形成して病型悪化へと進んでいく。慢性骨髄単球性白血病では,個細胞レベルでの解析によってさらに詳細なクローン構築が明らかになっており,今後MDSでも同様の解析による発症機構解明が行われることが期待される。