特集 血液疾患とクローン性
3.造血器腫瘍のクローン性進展 4)単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)とクローン性進展
高松泰
1
Yasushi Takamatsu
1
1福岡大学病院 腫瘍・血液・感染症内科 診療教授
pp.903-909
発行日 2014年5月30日
Published Date 2014/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201406107
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単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)は,血中M蛋白が3g/dL未満,かつ骨髄中のクローナルな形質細胞の割合が10%未満で,高カルシウム血症,腎機能障害,貧血,溶骨性骨病変などの臓器障害がないものと定義される。1年に約1%の頻度で多発性骨髄腫,悪性リンパ腫,原発性アミロイドーシス,マクログロブリン血症,慢性リンパ性白血病,形質細胞腫などの疾患にクローン性進展する。進展のリスク因子として,診断時の血清M蛋白量が1.5 g/dL以上,IgG型以外のMGUS,FLC比が異常(<0.26もしくは>1.65),M蛋白以外の免疫グロブリン低下がある。