Topics「身近な話題・世界の話題」(144)
加齢とクローン性造血
木崎昌弘
1
1埼玉医科大学総合医療センター 血液内科 教授
pp.1640-1643
発行日 2015年10月30日
Published Date 2015/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201511084
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造血器腫瘍の発症頻度は加齢とともに増加する。正常と考えられる集団におけるゲノムワイドな解析結果により,これらの集団にも造血器腫瘍に認められるようなクローン性造血を伴う遺伝子の体細胞変異が存在し,加齢とともにその頻度が増加することが明らかになった。このようなクローン性造血が認められる場合は,造血器腫瘍の発症リスクが10倍以上に増加することも明らかになった。さらに,造血器腫瘍のみならず,心血管系あるいは脳血管障害の発症リスクも高く,全死亡率も有意に高いことも明らかにされた。