特集 赤血球造血の基礎と臨床
1.赤血球に見る進化の足跡
布村渉
1
,
澤田賢一
2
Wataru Nunomura
1
,
Kenichi Sawada
2
1秋田大学大学院 工学資源学研究科 生命科学専攻 疾患生物学研究室 准教授
2秋田大学大学院 医学系研究科 血液・腎臓・膠原病内科学講座(第3内科) 教授
pp.531-540
発行日 2014年3月30日
Published Date 2014/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201404021
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宇宙創成から138億年,地球誕生から46億年,そして地球に原始生命体が登場してから約38億年が経つ。地球型生命体の多くは酸素を利用してエネルギーを作り出すため,効率の良い酸素の取込みと各細胞組織への迅速な運搬は生存競争に勝ち抜くための問題になる。そのため,酸素運搬の主役である赤血球は生物の進化とともに,その機能や形状を巧みに変化させて来た。本稿では,持続的な生命の繁栄に重要な役割を果たした赤血球に視点をおいて,生命進化の足跡を辿ってみたい。