今月の主題 急性期脳卒中の臨床
膵疾患研究の足跡
本庄 一夫
1
1関西医大
pp.166-167
発行日 1978年2月10日
Published Date 1978/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207727
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先駆的研究者群
膵疾患についてはすでに明治43年に当時の阪大総長楠本長三郎先生の日本内科学会総会における膵臓疾患の機能的診断なる宿題報告がなされており,続いて大正3年,京大の松尾巌教授が京医誌に膵液分泌について執筆されている.大正12年には阪大生理学の中川知一教授がセクレチンに関する研究を大阪医誌に発表され,昭和5年には「膵液分泌機作並にセクレチンに就て」という総説を提示されている.他方,東大稲田内科では岡田清三郎,行徳健助氏らの膵液分泌の神経体液調節の研究があり,この岡田先生は名大に赴任され,その後は青山進午先生が膵の研究を引継がれている.また東北大では熊谷岱蔵先生,山川章太郎先生,そして現在の山形敞一名誉教授へと研究は継承されているが,当初は膵内分泌の面から始まり,山形氏は血清アミラーゼの研究から出発されている.
以上は,私の尊敬する膵疾患研究の大先輩である市立池田病院名誉院長の築山義雄先生の著書より引用させていただいたものである.このように膵疾患について,内科方面でははるか戦前からも立派な研究がなされていたのであるが,その詳細については,筆者の不勉強のいたすところ,またの機会に譲りたい.
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