特集 第17回看護研究学会
ルポルタージュ
体系以前の堅実な足跡
木島 昂
1
1日本医師会
pp.14-21
発行日 1969年2月1日
Published Date 1969/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914365
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高尾の紅葉は今が見どころ。その紅葉一葉を食膳の小鉢にそえる風情のみやこ京都に,全国から推定8500人のナースが集まった。11月中旬の2日間である。先輩,後輩そして同窓,どんな学会でもそうだが,学会には全て合言葉がある。「来年,学会で会いましょうね」というアレだ。幸い京都は観光にはこと欠かない,洛北の秋は彼女たちを待ちうけ,それはそれなりに学会の持つ楽しい一面として意義があった。
しかし,こんどの看護研究学会には,観光の一面が強調されることはなかった。会場はどこも超満員,立見の会員も多い。研究学会の名称が物語るように,看護学会としてすでに看護学が完成されたものでなく,看護学は目下学問として体系づけられてゆく研究の途上にあるからだ。そこに観光の余裕はまだ生まれない。
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