特集2 成人血友病患者における周術期管理の実際
3.成人血友病患者に対する手術〈1〉:大腸切除術と人工肛門造設術
齊藤誠司
1
,
藤井輝久
2
Seiji Saito
1
,
Teruhisa Fujii
2
1広島大学病院 輸血部 助教
2広島大学病院 輸血部 准教授
pp.415-419
発行日 2014年2月28日
Published Date 2014/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201403099
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血友病患者の高齢化に伴い,心血管系疾患,悪性腫瘍,整形外科疾患,泌尿器科疾患など様々な合併症を持つ患者が増え,外科手術の適応となる症例が増加している現状がある。高齢血友病患者の大腸切除術と人工肛門造設術においてボーラス輸注による止血管理を行い,周術期の出血は認めず良好な経過をたどった症例を経験した。しかし,同一患者での人工肛門閉鎖術において同様にボーラス輸注による止血管理を行ったところ,術後出血を認めた。持続輸注に切り替えて再度開腹術を行い,その後の止血管理は良好であった。