検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
免疫担当細胞の起源と分化
武内 ゆみ子
1
1東京大学第二内科
pp.1177-1181
発行日 1987年10月1日
Published Date 1987/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204287
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血球の起源と分化
血液細胞成分は胎児肝,脾の中胚葉組織から作られ,機能的骨髄が形成されると,主に骨髄で形成されるようになる.赤芽球,顆粒球/単球,巨核球は,もともとは一つの幹細胞から分化したものと想定され,骨髄微細環境(HIM)の中で,おのおのの分化因子の影響を受けながら一方通行の分化・成熟を行う〔図1).
CFU-S(colony forming unit-S)とは,実験的に脾臓に3系統へ分化する一細胞集団(colony)を形成する最小単位の幹細胞として想定される単核球であり,CFU-CまたはCFU-GMとは,カルチャー・ディッシュ(C)の寒天の中に,各分化段階の顆粒球(G),単球(M)を含むcolonyを作る最小単位の幹細胞のことである.後者は前者より分化の進んだ段階で,ここから赤芽球や巨核球は生じない.このような場合,顆粒球/単球に"commitした"という.各分化因子についてはおのおのが活発に研究され,臨床応用の時代に入っている.
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