特集 血液病と中枢神経病変
6.薬剤性中枢神経病変 2)シクロスポリンとステロイド
森政樹
1
Masaki Mori
1
1自治医科大学附属病院 無菌治療部 副部長
pp.1261-1269
発行日 2013年8月30日
Published Date 2013/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/52013091261
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臓器移植ならびに造血幹細胞移植医療において,免疫抑制剤は中心的役割を担っている。1970年代に発見されたシクロスポリン,1993年に肝移植で承認されたタクロリムスに副腎皮質ホルモンを併用した免疫抑制プログラムは広く浸透し,移植成績を著しく向上させたが,一方で特有の副作用により減量中止を余儀なくされる症例も経験される。カルシニューリン阻害剤は薬剤有効血中濃度を正確に保つためのモニタリングが必須であり,腎障害,肝障害,神経障害などの合併症管理が移植そのものの正否を左右するとも言える。本稿ではシクロスポリンを中心に,免疫抑制剤の中枢神経障害に焦点を当てて概説する。