特集 血液病と中枢神経病変
6.薬剤性中枢神経病変 1)シタラビン
山内高弘
1
,
上田孝典
2
Takahiro Yamauchi
1
,
Takanori Ueda
2
1福井大学 医学部 血液・腫瘍内科 講師
2福井大学 副学長
pp.1253-1260
発行日 2013年8月30日
Published Date 2013/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/52013091253
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急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)の治療におけるkey drugのシタラビン(cytarabine:ara-C)では,耐性克服のために100~200 mg/m2の通常量の約10倍量,2~3 g/m2の大量投与が行われる。Ara-C大量療法時の重大な副作用として,骨髄機能抑制,ショック,急性呼吸促迫症候群,非心原性肺水腫,間質性肺炎,シタラビン症候群,中枢神経系障害があらわれる。中枢神経系障害はけいれん,大脳障害,小脳障害など多彩で,特に小脳障害が重篤である。病理学的に小脳のプルキンエ細胞の脱落がみられる。中枢神経毒性の発症原因はいまだ十分解明されていない。薬剤中止と対症療法が中心である。