特集 血液病と中枢神経病変
3.多発性骨髄腫と中枢神経病変
竹岡友晴
1
,
大野辰治
2
Tomoharu Takeoka
1
,
Tatsuharu Ohno
2
1大津赤十字病院 血液免疫内科 副部長
2大津赤十字病院 血液免疫内科 部長兼副院長
pp.1233-1240
発行日 2013年8月30日
Published Date 2013/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/52013091233
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多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)の一連の臨床経過において,中枢神経および末梢神経障害はしばしば認められる合併症である。骨髄腫細胞は多彩な物質を産生する機能性腫瘍としての側面を持つため,物理的な脊髄および神経根の圧迫による直接的神経障害の他に,高カルシウム血症や高アンモニア血症などの電解質・代謝異常や,M蛋白による神経症状をきたし得る。 これらの合併症はoncologic emergencyとして速やかな診断および治療開始を要する場合も少なくないため,あらかじめ周知しておく必要がある。