Japanese
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綜説
多発性骨髄腫にみられる皮膚病変について
CUTANEOUS MANIFESTATIONS OF MULTIPLE MYELOMA
小宮 勉
1
Tsutomu KOMIYA
1
1東京逓信病院皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Teishin Hospital
pp.362,365-375
発行日 1969年4月1日
Published Date 1969/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200487
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I.緒言
多発性骨髄腫は形質細胞系の細胞が悪性腫瘍状に増殖する疾患で,別名形質細胞腫とも呼ばれ,古典的・典型的な場合には,骨の破壊と尿中へのベンス・ジョーンズ蛋白の排泄がみられる。古くから類澱粉症との関係についても興味がもたれてきたが,近年はその増殖した形質細胞系細胞が産生する異常な血清蛋白と,免疫グロブリンとの関連性が注目されている。
かつて我国には非常にまれだと考えられていた本疾患も,最近は決してまれではないことが明らかになつているが,この疾患の多彩な症状のうち皮膚の病変については,我国では注目されることが比較的少なかつたようである。このたび我々は出血性の水疱を主訴とした多発性骨髄腫の1例を経験したので報告し,あわせて文献的考察を加えるとともに,類澱粉症との関係,更に広く異常蛋白血症における皮膚病変について述べてみたい。
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