特集 血液病と中枢神経病変
2.悪性リンパ腫と中枢神経病変
大野仁嗣
1
Hitoshi Ohno
1
1天理よろづ相談所病院 血液内科 部長
pp.1221-1231
発行日 2013年8月30日
Published Date 2013/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/52013091221
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原発性中枢神経リンパ腫の大半は,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫である。巣症状,精神神経症状,脳圧亢進症状,痙攣などで発症し,病変は脳室周囲に生じることが多い。MRIで特徴的な画像所見を呈する。原発性中枢神経リンパ腫の初期治療は高用量メトトレキサートを含む化学療法と全脳照射であるが,特に高齢者では治療後に進行性の神経毒性を来すことがある。悪性リンパ腫の進行・再発に伴って発症する二次性の中枢神経リンパ腫の治療予後は不良である。中枢神経再発リスクの高い症例には,初期治療で中枢神経予防を行う必要がある。