特集 HLA Revisited
1.HLAゲノム構造と多型性
椎名隆
1
,
鈴木進悟
2
,
尾崎有紀
2
,
猪子英俊
2
Takashi Shiina
1
,
Shingo Suzuki
2
,
Yuki Ozaki
2
,
Hidetoshi Inoko
2
1東海大学医学部 基礎医学系 分子生命科学 准教授
2東海大学医学部 基礎医学系 分子生命科学
pp.1041-1049
発行日 2013年7月30日
Published Date 2013/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/52013081041
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HLA領域はヒト第6染色体短腕部6p21.31に位置し,HLA遺伝子を含む3.8 Mbから構成される。この領域は,ヒトゲノムにて比類なき多型性に富み,これまでにHLA遺伝子6座(HLA-A,-B,-C,-DR,-DQ,-DP)にて,9,000を超える膨大なHLAアリルが同定されている。また,各HLA遺伝子座における特定のHLAアリルが強い連鎖不平衡により同じ染色体上に連なり,HLA-A*24:02-B*52:01-DRB1*15:02など特有のHLAハプロタイプを形成している。さらに,生活習慣病,自己免疫疾患,がん,造血幹細胞移植に伴う移植片対宿主病,ウイルス感染症における防御と重症化,薬剤感受性などと関連するなど,数多くの医学的興味を有するゲノム領域である。筆者らは,このような医学的興味との関連性を明らかにするために新規のゲノム解析技術を開発し,この領域のゲノム多様性を明らかにしつつある。