特集 HLA Revisited
2.HLA分子の立体構造から見えるもの
草野清輔
1
,
横山茂之
2
Seisuke Kusano
1
,
Shigeyuki Yokoyama
2
1理化学研究所 ライフサイエンス技術基盤研究センター 構造・合成生物学部門 構造生物学グループ リサーチアソシエイト
2理化学研究所 横山構造生物学研究室 上席研究員
pp.1051-1058
発行日 2013年7月30日
Published Date 2013/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/52013081051
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
遺伝子多型に富むHLA分子は,多様な抗原ペプチドを細胞表面に提示できる。そのため,免疫応答性を広げることに貢献している一方で,アレルギーや移植拒絶といった過度な免疫反応により生じる疾患との関係も憂慮しなければならない。こうしたHLAの多型性に寄与するアミノ酸残基の多くは,主にペプチド収容溝に局在することがHLA分子の立体構造から明らかになっている。収容溝における自己および非自己抗原の認識機構を構造生物学的に解明することが期待されている。