特集 慢性骨髄性白血病(CML)治療 ~残された課題~
5.TKI-STOP試験の現状 ~慢性骨髄性白血病に対するチロシンキナーゼ阻害剤療法の中断を成功させるための予測因子~
髙橋直人
1
Naoto Takahashi
1
1秋田大学医学部 血液腎臓膠原病内科 講師
pp.209-215
発行日 2013年1月30日
Published Date 2013/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201302209
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フランスグループのSTIM試験は,イマチニブにて分子遺伝学的寛解(CMR)を達成し,少なくとも2年間CMRを維持したCML症例の約40%で治療中止後もCMRを維持することを示した。複数の前向きイマチニブ中止試験や日本の後ろ向き調査から,〈1〉 Sokal score,〈2〉 イマチニブ治療期間,〈3〉 IFN-α治療歴,〈4〉 中止前のCMR期間などが中止後の再燃予測因子であった。多くの症例が中止後寛解を維持できるように,第二世代チロシンキナーゼ阻害剤を用いた前向き試験が進行中である。