特集 スギ・ヒノキ花粉症 最新の話題
Ⅰ.疫学の視点から
2.衛生仮説を再考する
野口恵美子
1
Emiko Noguchi
1
1筑波大学医学医療系遺伝医学教授
pp.150-154
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201902150
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衛生仮説“Hygiene Hypothesis”とは,1989年,Strachanが行った疫学研究をもとに,「アレルギー疾患は,年少の時期に年上の兄弟姉妹による非衛生的な接触による感染症や,母が年長児から感染すること等により予防されている」という仮説である。この衛生仮説にもとづいて,現在までに数々の疫学研究,ヒトサンプル・動物モデルを使用した基礎的な研究が行われている。本稿では衛生仮説について,現在までに行われた研究と今後の展望について概説する。