総説
良好なコントロールを目指した医師患者コミュニケーションの重要性
東田有智
1
,
堀口高彦
2
,
田代尚樹
3
,
佐々木絢子
3
,
江本夏伯
3
Yuji Tohda
1
,
Takahiko Horiguchi
2
,
Naoki Tashiro
3
,
Ayako Sasaki
3
,
Kahaku Emoto
3
1近畿大学医学部内科学教室呼吸器・アレルギー内科部門
2藤田保健衛生大学呼吸器内科学Ⅱ講座
3アストラゼネカ株式会社メディカル本部 呼吸器/炎症/自己免疫領域
pp.1610-1617
発行日 2018年11月15日
Published Date 2018/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018121610
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吸入ステロイド薬(ICS)は,気道炎症を鎮静し維持する薬剤として,気管支喘息に対する薬物治療の基本として位置づけられ,ICSの普及率と反比例して喘息死者数は大きく減少した。しかし,ICSによる治療を受けていても喘息コントロール良好を達成できていない患者も存在する。この原因として,服薬アドヒアランス不良や適切でない吸入手技,医師と患者間の喘息コントロール状態の認識のギャップなどが挙げられる。喘息患者が良好なコントロールを達成するためには,医師とメディカルスタッフの連携による喘息病態を含む患者教育と,吸入指導によるアドヒアランスの向上,医師と患者間で治療目標を設定することが求められる。