特集 がん患者のこころを救え ~サイコオンコロジーの最前線~
2.がん患者との良好なコミュニケーション
藤森麻衣子
1
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所自殺総合対策推進センター自殺未遂者・遺族支援等推進室・室長
pp.2675-2679
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201612075
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インフォームドコンセントを前提としたがん医療において,わが国のがん患者は望ましいコミュニケーションとして「悪い知らせの伝え方」,「伝える内容」,「情緒的サポート」,「場の設定」への配慮を求めている。また,患者にとって望ましくない知らせを伝えられるような面談の際に,言語的・非言語的な情緒的サポートを提供することで,医師への信頼感が増したり,不安が低減することが示唆されている。こういった,望ましいコミュニケーションを促進する方法として,医師,看護師に対するコミュニケーション・スキル・トレーニング,患者に対する質問促進パンフレットが開発されており,その有効性が無作為化比較試験により示されている。