総説
重症好酸球性喘息の治療コンセプト -病態形成から分子標的治療まで-
佐々木絢子
1
,
江本夏伯
2
Ayako Sasaki
1
,
Kahaku Emoto
2
1アストラゼネカ株式会社メディカル本部 呼吸器領域バイオロジックス
2アストラゼネカ株式会社メディカル本部 呼吸器/炎症/自己免疫領域
pp.426-434
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201803426
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喘息の薬物治療は吸入ステロイドを中心に気道炎症を抑えることが基本となっている。しかし,一部の患者は何らかの理由で炎症状態が強く,高用量の吸入ステロイドおよび複数の長期管理薬を併用しても十分コントロールできない場合がある。このような重症かつ難治化する理由は不明であるが,臨床像および治療反応性の違いによってフェノタイプ分類が提唱された。また,気道炎症機序に基づいて様々な炎症性サイトカインをターゲットとした分子標的薬が開発されている。本稿では,重症喘息における病態の各表現型に対応して,最新の分子標的治療薬の治療選択およびその治療の臨床的ベネフィットについて概説する。