特集 川崎病アップデート ~病因・病態論の推移と展望~
Ⅹ.サイトカインプロファイル ~サイトカインから他疾患と鑑別できるか~
清水正樹
1
Masaki Shimizu
1
1金沢大学附属病院小児科講師
pp.1436-1443
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018111436
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川崎病と全身型若年性特発性関節炎(s-JIA)はともに,発熱,発疹,リンパ節腫脹,高度の炎症所見,肝機能障害など共通する臨床像を呈することから,その鑑別が非常に困難な場合がある。適切な治療介入が遅れた場合には,川崎病では冠動脈瘤,s-JIAではマクロファージ活性化症候群といった重篤な合併症を呈することから,臨床現場においてしばしば問題となっている。両疾患の鑑別に血清サイトカインプロファイルが有用であり,川崎病ではインターロイキン(IL)-6優位の,s-JIA症例ではIL-18優位の特徴的なパターンを呈する。