特集 川崎病アップデート ~病因・病態論の推移と展望~
Ⅺ.プロテオーム解析による新規バイオマーカー探索 ~川崎病関連タンパク質の発見~
木村弥生
1
,
柳町昌克
2
,
森 雅亮
3
,
平野 久
4
Yayoi Kimura
1
,
Masakatsu Yanagimachi
2
,
Masaaki Mori
3
,
Hisashi Hirano
4
1横浜市立大学先端医科学研究センター准教授
2東京医科歯科大学小児科助教
3東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科生涯免疫難病学講座教授
4横浜市立大学先端医科学研究センター特任教授
pp.1444-1450
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018111444
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質量分析装置を用いたプロテオーム解析により,典型的な川崎病患者急性期(発熱時)と回復期(解熱時)の血清中で発現量が変動するタンパク質を網羅的に探索した。その結果,血清中において,急性期で発現が有意に増加する3種類のタンパク質(LBP,LRG1,AGT)と,逆に発現が減少する1種類のタンパク質(RBP4)を見出し,これらが川崎病の病態変化に伴い発現変動するタンパク質であることを明らかにした。また,これらタンパク質は発熱を伴う類似疾患との鑑別にも有効なバイオマーカーとなる可能性がある。