特集 川崎病アップデート ~病因・病態論の推移と展望~
Ⅶ.細菌・スーパー抗原 ~提唱当時から最近の知見をまとめる~
鈴木啓之
1
Hiroyuki Suzuki
1
1和歌山県立医科大学小児科教授
pp.1415-1421
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018111415
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川崎病急性期患児の末梢血T細胞レセプターのレパートリー解析,また便中のDNAに存在するレンサ球菌由来スーパー抗原(SAg)遺伝子断片の分析から,川崎病発症のトリガーとして複数のレンサ球菌由来SAgの可能性について述べる。しかし,急性期患児からStreptococcus pyogenes(GAS)が通常分離されないことから,GAS由来SAgの遺伝子が他のレンサ球菌にhorizontal gene transferしている可能性があり,急性期患児の咽頭・口腔内常在菌(レンサ球菌)の中にGAS由来のSAg遺伝子を保有する菌の存在を証明する必要性についても述べさせていただく。