読者からの手紙
あの当時の意気軒昂さ
松井 美津子
pp.9
発行日 1959年11月10日
Published Date 1959/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201960
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保健婦制度がはじめて制定された当時の頃の資料をみる機会がありました.この資料は,保健婦制度制定について,現在の感覚でみても非常に興味の深いものです.この中には,国民が無資格者の手によつて指導されることから守るために,保健婦の国家登録を行うこと,人材の適当なる供給を行うため,保健婦養成機関を取締り,保健婦教育の統一を図り,卒業者に国家試験を行うことが要請されています.更に,国家登録法を制定する場合には,管理機構に保健婦の代表を参加させること,登録をなすための受験資格者は少くとも高等女子学校卒業後2〜3カ年,100床以上の病院を有する看護婦養成機関で認定看護婦教育を受け,卒業後更に6カ月乃至1カ年の保健婦教育を受けたものであり,更に産婆の資格があれば尚更結構である.保健婦学校は従つて大学の格式を具備する必要があること,保健婦学校は定期的な査閲を行い学校の進歩を促すこと,査閲官には保健婦を加えてほしいということを特に留意事項として附加してある.これは昭和16年2月の全国保健婦大会において提案されたもので,その選択の如何は明らかでないが恐らく,当時これに参画した人々は現在もなお全国に数多く活動しておられることと思います.
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