特集 川崎病アップデート ~病因・病態論の推移と展望~
Ⅷ.未知の病原微生物 ~最新の研究成果からの検討~
阿部 淳
1
Jun Abe
1
1国立成育医療研究センター研究所高度先進医療研究室非常勤研究員
pp.1422-1426
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018111422
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川崎病の病因研究の歴史を振り返ると,その時々の話題の病原体をその時々の先端の技術を使って追及してきたことが実感される。未知の病原微生物を探す研究でも,PCR(polymerase chain reaction)法,次世代シーケンサー,高精度質量分析法など最先端のテクノロジーが駆使されてきた。特定の病原体に的を絞った研究も必要であるが,新しいゲノム解析技術や光学機器を使った研究が新規の微生物(群)と川崎病との関連を明らかにする可能性も十分考えられる。基礎医学,臨床医学,情報科学における知恵を結集して病因研究をすすめることが求められている。