特集 血管炎とアレルギー疾患 -内因性・外因性アジュバントの関わり-
Ⅹ.Tonsil induced autoimmune/inflammatory syndrome(TIAS)としての掌蹠膿疱症
岸部麻里
1
Mari Kishibe
1
1旭川医科大学皮膚科学講座講師
pp.820-825
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201806820
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掌蹠膿疱症(palmoplantar pustulosis:PPP)は掌蹠に繰り返す無菌性膿疱を主徴とする慢性炎症性皮膚疾患である。疫学的に,女性,喫煙者,扁桃炎などの病巣感染を伴う例が多いといった特徴がある。種々の治療法のなかでも口蓋扁桃摘出術の有効性は高い。患者扁桃リンパ球,血清,病変部皮膚などを用いた基礎的・臨床的研究から,PPP扁桃では口腔内常在菌に対する免疫寛容が破綻しているために,過剰な免疫応答や自己免疫反応が誘導されることが明らかになっている。PPP病態形成において,扁桃病巣感染は重要な役割を担っている。