特集 血管炎とアレルギー疾患 -内因性・外因性アジュバントの関わり-
Ⅷ.Tonsil induced autoimmune/inflammatory syndrome(TIAS)としてのIgA腎症
鈴木仁
1
,
鈴木祐介
2
Hitoshi Suzuki
1
,
Yusuke Suzuki
2
1順天堂大学大学院医学研究科腎臓内科准教授
2順天堂大学大学院医学研究科腎臓内科教授
pp.802-809
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201806802
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糖鎖異常Ig(immunoglobulin)A1および糖鎖異常特異的抗体の産生亢進により,高分子の免疫複合体が形成されることがIgA腎症の病態に深く関与している。一部の糖鎖異常は扁桃由来であると考えられ,扁桃摘出により血中糖鎖異常や免疫複合体が低下する。扁桃を主とする粘膜面での細菌やウイルス抗原刺激により,TLR(Toll-like receptor)9活性化を伴う粘膜免疫応答異常や,APRIL(a proliferation-inducing ligand)・BAFF(B cell activating factor belonging to the tumor necrosis factor family)による糖鎖異常産生細胞の制御異常に関連していると示唆される。