特集 血管炎とアレルギー疾患 -内因性・外因性アジュバントの関わり-
Ⅵ.HPVワクチン関連神経免疫異常症候群(HANS)とautoimmune/inflammatory syndrome induced by adjuvants(ASIA)
横田俊平
1
,
黒岩義之
2
,
大西孝宏
3
,
中島利博
4
,
中村郁朗
5
,
西岡久寿樹
6
Shumpei Yokota
1
,
Yoshiyuki Kuroiwa
2
,
Takahiro Ohnishi
3
,
Toshihiro Nakajima
4
,
Ikuro Nakamura
5
,
Kusuki Nishioka
6
1フジ虎ノ門整形外科病院小児難病・リウマチ・センター長
2帝京大学医学部附属溝口病院神経内科・脳卒中センター長
3伊勢赤十字病院腎臓内科部長
4東京医科大学総合医学総合研究所教授
5一般財団法人難病治療研究振興財団
6政策研究大学院大学
pp.786-793
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201806786
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HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン接種後に多彩な症状を呈する副反応症例の解析により,症候学的に,① 生命機能,② 高次脳機能・辺縁系,③ 感覚機能,④ 運動機能の4つの機能の恒常性の破綻が推定され,HPVワクチンのL1抗原とアジュバントによる視床下部・脳室周囲器官の病変が原因と推定された。一方,ASIA(Autoimmune/inflammatory syndrome induced by adjuvants)症候群は,アルミニウム塩,シリコンのアジュバント作用に由来し,自己免疫疾患はアジュバントによる慢性刺激が原因であると推定された。いずれも症候を詳細に検討する余地が残されており,今後,一般的症候との差異を明らかにする必要がある。